ベッドマンとして

 長年外資系シティホテルのベッドメークを従事したときがあり、その愛おしい相手がやはりベッドであった。シーツを剥いだ状態で、シングルベッドが約5分。キングで約7分で単独で組む。

 カバー布団底部は基本的に、マットの下に挟まないことだ。しかし、底部両角は挟み込むし、両角が挟まれた方が見た目もきれいだ。
企業方針で底部両角を全く挟み込まないホテルもある。ちなみに、まったく挟まないと、ベッドマンによっては統一した形にならないことが多い。
たとえば、掛け底部を床にすれすれ垂らす人も結構いる。また、底部垂らしすぎ+襟元の折り返しが長すぎる具合である。これらが見た目も悪い。センスを疑うのだ。両角のみを挟み込むほうが間違いなく安定して綺麗である。両角を挟むとその分よけいな作業と力もいる(垂らす長さはマットと台境界から下約1cmほど)。

 掛け本体の底部を、カバー底部とピッタリに密着させるのが基本だが、全低部をマット下に挟みこむというベッドマンが結構多い。底部を隠すことで手っ取り早いこともあるのだろう。そう間違えられて教えられた新人は仕方ないが、それをいつまでも続けるのは間違いだろう。見た目も悪くすぐにやめるべきではないだろうか。全底部を挟む、むしろこれは手抜きである。


 話は余談だが、モデル撮影も手掛けるプロカメラマンの、カタログ写真のベッド組にも数日参加したことがある。正直、プロに怒られるかもしれないが、今回担当カメラマンのスタッフたちは、私たちホテル清掃に比べ、なんて肉体的に楽なのかと痛感したものである。撮影商品を神経質にちょこちょこと動かしたり、撮影のやり直しの繰り返しパソコン画面のにらめっこが一日中であった。プロでも手探りのような状態であった。
 正直言ってじれったく、こんな具合では残業は当然だと思った。撮影の間は室内の椅子に座って見守る時間の方がかなり長く、それが仕事のようでもあった。
これならAI指示による撮影にしたほうが仕事が早いのではと思ったりもした。
申し訳ない m( _ _;)m

ベッドメークおよび、清掃の労働がいかに低時給で休憩もなく動きっぱなしであるのが歴然だった。しかもホテル清掃では6時間以内のため、食事抜きの会社が多いのである。6時間越えでも、休憩があったとしても30分で、毎日が戦争のように忙しく過酷だと思えた。世の中に大切な仕事なのだから清掃人員には高給を与えてもいいと思える。
 もちろん、カメラマンたちの労働時間はホテル清掃よりも遙かに長いのは事実で単調な仕事である。あくまで数日のアシスタント経験として正直な自分が感じたこと。もちろん、私はカメラマンにはなれないが。
Basic Single Bed

Basic Single Bed

Basic King Bed

Heavenly Single Bed

Heavenly King Bed